「人は時が経つにつれ変わる」っていうけど、

それを一人の先輩を見て痛感する。

(先輩の話、今週2回目です・・・)



その先輩は高校卒業から一週間後、
脳梗塞で倒れて、それ以来、
言語と体に後遺症を負って、
作業所に15年通ってはる超ベテランさん。



笑顔がかわいくて、

字も書道を習ってはることもあって上手で、
この秋には作業所の近くの公共施設で

個展も開いてはった。



みんな先輩のことを慕ってるんやけど、
ここ最近、集中力や認知能力が
著しく衰えてきてはるみたいで、
指導員さんや技術職員さんに
何度言われてもモノを理解できないことが
多くなってはる。



たとえば掃除。指導員さんが
「最初はイス拭いてな」と言っても、
入口の扉から拭きだしたり・・・



たとえば編み物。立ち上がりのやり方、
縫い目の目数と入れ方、編み終わりのやり方が、
何回やっても雑で、編み物ド素人の僕が見ても、
きちんと編めてないとこがハッキリわかる。



それで技術職員さんが、

「ちゃんとできてるか確認してや!」と言っても、

一切確認しないで進めたり・・・



それに加えて指導員さん・技術職員さんに
注意されると急に怒り出して、
汚い言葉づかいをしてしまわはることも
しょっちゅうで、それを注意されて、
「すいませんでした」とは言わはるものの、
毎日のように怒っては
「すいませんでした」の連続。



掃除も編み物も何一つ改善されなくて、
職員さんも本人も心が折れかけるぐらいの
つらい思いをしてはるけど、
後輩の僕自身も本当につらい。



・・・というのは、秋にあった個展で
5年前の元気だったころの先輩の姿を
写真で見たから。



職員さんの話によると、
「この頃は自分から

積極的に編み物をドンドン編んでて、
それもキレイな仕上がりやったし、
今みたいに怒ってばっかりじゃなく、
もっとかわいらしい子やった」らしい。



僕が作業所に入れてもらう、ちょっと前から、
こういう風に雑に作業したり、
怒ったりする兆候が出てきてたみたいで、
その話を聴いて、ホンマにショックをやった。



脳梗塞も後遺症も先輩が悪いわけじゃないのに、
「なんで先輩から大切なものを奪うん?」と。

先輩にはもう「自分が間違えたことをしてる」って
認識がないし、今日教えてもらったこと、
人から怒られたこと、自分が怒ったことは
すぐに忘れてしまわはるねんけど、
でも先輩の笑顔を見てると、
作業所を愛する気持ちを持ってはるのがわかるし、
なんか「ホッ」とする。



ただ作業所はあくまで仕事場。

職員さんや先輩のお母さんは
最善を尽くしてくれはるとは思うけど、
「このままでは・・・」と思ってしまう瞬間もある。



僕自身も先輩のもとにいられる時間は
もうそうは長くない。



どうしたらええんやろ?



自分の今後に加えての、
もうひとつの悩みごとやったりする。